訪問記 高崎や前橋までは何度か訪れたことはあるが、この先の沼田まで訪れたのは初めてのこと。観光でも、仕事でも縁はなかった。ただし、尾瀬に行く途中で通過したことはある。訪れたことはないが沼田の地名は知っていたし、戦国末期から江戸初期にかけて真田の一族がここを居城にしていたことも知っていた。当然、城跡の存在も知っていたが、同時に素人の私が興味を抱くような遺構が残っていないことも知っていた。だからわざわざ足を延ばして訪れようとは考えていなかったが、吹き割の滝を見学する途中で寄り道することにした。
古地図で見る沼田城は利根川水系の河川が削った段丘上の丘に建つ堅固な要塞である。真田氏が築いた城郭は江戸時代になって破却され、現在残る遺構からはその規模を想像することはできないが、それでも段丘の上に立ち利根川方面を遠望すれば戦国時代の武将の夢が蘇ってくる。沼田城を巡っては目まぐるしく支配者が交代した。その中で真田一族が戦国大名の地位を築いたのもこの城を巡る争いから。そんなことを考えながらのんびりと城跡を散策した。
(2012年7月22日) |