日本の城ある記(関東の城・宍戸陣屋)

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 宍戸陣屋  (ししどじんや)

訪問記
 宍戸陣屋は中世の宍戸城の跡地に天和2年(1682)に水戸光圀の弟の松平頼雄が1万石を分地されて陣屋を置いたもの。その後陣屋による支配がつつくが、陣屋の建物が建てられたのは天保15年(1844)になってからとも言われている。いずれにせよ陣屋跡地は住宅地と化して遺構らしきものはわずかに残る土塁しかない。中世の宍戸城は鎌倉時代の初期に八田氏が築城したとされる。八田氏はその後佐竹氏の軍門に下るが、この地には堀を廻らした連郭式の城郭が築かれ、城下町も形成されていたようだ。
 陣屋を訪れたのは早朝6時30分ごろ。横浜を出て首都高、常磐道を経由して北関東道路の友部ICで降りる。ICからは5分程度の距離にある。まだ人の気配のない住宅地の真ん中の陣屋跡地を歩きまわるが、残念ながら陣屋跡の雰囲気も、中世の城郭址の雰囲気も全く感じられない。陣屋跡と記した看板が目につくだけで他には何の案内もない。石垣を用いず築城された平城の遺構は何処でもこれに似ている。もともと平城は生活に便利な場所に築城されることが多い。時代が変われば住宅地や公共施設にとって変っても不思議ではない。それにしても、かつてこの場所に壮大な城があったとの趣もないのが少々淋しい。(2012年4月2日)
 

   宍戸藩 歴代藩主
 家紋  入封時期 禄高  入封時藩主  
天和2年
(1682)
1万石 松平頼雄(水戸光圀の弟)が1万石を分地されて立藩 陣屋が築かれたのは天保15年(1844)になってから

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