訪問記
古河城を訪ねた後に関宿城を訪れる。この二つの城は築城された場所の自然環境や、築城されたいきさつもよく似ている。関宿城は江戸川と利根川の分岐点にあって、川と湿地を要害にした城。城跡も河川の改修工事で古河城と同じく大部分が河川敷となっている。関宿の方は模擬天守が築かれているが、本来の場所とは違う場所である。もともと天守は築かれず、三階櫓を天守の代用としていたようだが、再建された天守の構造は旧来のものとは違うようで、博物館としての機能を重視した造りだ。
古河城も関宿城も城下を流れる河川は防護の機能として重要な役割を果たしているが、同時に河川の氾濫に常に苦しめられたと思われる。改修された河川を眺めて、土木工事が今ほど大掛かりに出来ない江戸時代によく耐えられたものだと感心する。
観光用の模擬天守であるが、遠望するとそれなりの趣がある。残念なのは城を取り巻く城下町がないこと。戦闘だけを目的にした城ならちょっと優しすぎる面構えだ。(2012年3月25日) |