訪問記
前回、長篠城のある新城市を訪れたのは何時だったのか、記憶が薄れるほど遠い昔になってしまった。 多分40年も昔のことだと思う。飯田線に乗って新城市を通過したことはそれ以後も何回かあったが、 新城の地に足を下ろしたことはなかったと思う。40年前に訪れた時、勿論その時も歴史で名高い長篠の戦のことは知っていたが、わざわざ設楽原の古戦場跡や長篠城に行ってはいない。仕事で訪れ、その後に猪鍋を食べたことはなんとなく覚えているだけだ。今回訪ねて、新城の町も少しだけ散策してみたが、昔を思い起こすことはなく初めて訪ねた町の気分だった。
戦国時代の城巡りをするのであれば長篠城は外すことができない城。この城を巡る攻防が天下統一を志した信長の地位を一層強固なものとし、また徳川家康が武田軍に潰されることなく生き延びて天下を取ることができた礎になったと言っても大袈裟ではないと思う。そんなイメージで長篠城跡を歩いてみる。紅色に染まった木々の落ち葉が、何だか武将たちが流した血の色にも見えてくる。豊川、宇連川の清流が時の流れの無情さを教えてくれる。(2011年12月17日) |