訪問記
岡崎城が徳川家康ゆかりの城であることは歴史音痴の人でも知っていることではないだろうか。この近く(といっても30キロ近くは離れているが)に住んでいた私にはなじみのある城である。とはいえ、岡崎城の城内に入った記憶はない。小学生の頃、多分遠足などで行ったことがあるのではと思うが、記憶にない。
再建された天守閣はお城の北側を走る国道一号線からも、南側を走る名鉄電車の車窓からも眺めることはできる。社会人になってからも、仕事でこの地区を担当していたこともあり天守閣は何度も目にした。身近な存在であったが、むしろそのことが災いしたのではと思う。わざわざ城見物に出かけようとは思わなかった。それが、久し振りに国道一号線を走ったとき、道路に面した場所に立派な城門が再建されているのを目にした。場違いに立派な城門に感じたが、なんだか私を招き入れようとしているようにも見える。誘われるまま、城内に入り込んだ。
城内に入り、意外に感じたのは岡崎城は単に平たんな地形上に築かれたのではなく、結構起伏に富んだ地形に築かれていたこと。南西方向からは矢作川を天然の濠とした要害の地に見えるが、城門のある反対側からみれば平たんな場所に築かれた城との印象しかなかった。それが城門をくぐり天守閣に向かって少し歩くと、深い空掘りに出会う。天守台も予想以上に高台に築かれている。さすが家康ゆかりの城の縄張りと感心する。天守閣に登り城下を見渡すと、北の方角には松平家ゆかりの大樹寺の大屋根が眺められる。矢作川の対岸には岡崎名物の八丁味噌の味噌蔵も見える。そういえば、八丁味噌を塗った味噌田楽を暫く食べていない。城見物の帰りにどこかで食べて帰ることにします。(2009年8月2日) |