訪問記
岐阜といえば信長が稲葉山(金崋山)に築いた岐阜城があまりにも有名な存在。その城下町に楽市楽座の制札を掲げて自由な商業活動を保証した話も、これも有名な話。それに比べ同じ岐阜市にありながら加納城は控え目で目立たない城である。30代後半まで中部圏に生活の本拠を置いていた私も稲葉山には何度か行ったが、加納城を訪れたことは一度もなかった。しかし家康が関ヶ原の戦いに勝利した後、西側をけん制する役割で築いたのが加納城で、その存在は決して小さな物ではなかったはず。しかし残念ながら稲葉山には模擬天守が再建されているが、加納城は放置されているに等しい存在。夏の終わりに加納城を訪れたが、荒れ果てた城跡に少しさみしい思いもする。堀が埋め立てられたのは仕方が無いにしても、せめて残った土塁や石垣を整備して城址公園としての体裁を整えるくらいのことはしてほしいものだと願う。
(2013年8月26日) |