訪問記
津は古来より安濃津(あのつ)と呼ばれ伊勢国の中心地であった。現在も三重県の県庁所在地である。仕事では何度も訪れているのだが、如何したわけか津城には足を踏み入れていない。名古屋に勤務していた時は近場でもあり何れそのうちにと、そう考えていたのが災いしてか遂にこれまで訪れる機会を逸していた。それに、たいした遺構も残っていないと、そんな先入観もあり積極的に行こうという思いにならなかった。しかし今回訪れて、さすが藤堂高虎が築いた城だと、今迄の思い込みを訂正せざるを得なかった。高虎の築いた城は外堀が埋め立てられ、東の丸は消滅、内堀も一部が残るだけとはなっているが、往時の壮大な規模の城郭を想い起すだけの雰囲気は残している。 |