訪問記
京都に歴史の上で重要な役割を果たしたお城が存在することは知っていた。しかし何故かこれまで一度も訪ねたことはない。京都は小学生の時の修学旅行以来何度も何度も訪ねた場所である。仕事でも、観光でも、それに日常的な交流はないが親類も住んでいる。そんな理由で京都へは何十回と訪れた。もっとも、それだけの回数を訪れたが、すべてを知り尽くすことができないほど京都は魅力のある都市である。 今回は大阪に商用があり、その帰途に大和郡山城を訪ねた。ここまでは予定の行動であったが、大阪での商用が早く済んだ(つまりビジネスとしては芳しくはなかった)ので大和郡山を訪ねても時間の余裕があった。そこから京都までは近鉄電車で1時間の行程である。横浜に帰るにもルート上のコースである。
二条城に着いたのは午後4時10分前。時間に余裕があると思ったが、国宝の二の丸御殿を見学するのであれば4時までに唐門内に入る必要があるといわれて急ぐ。美術品保護のために建物内の照明は薄暗い。それでも教科書や美術雑誌でしか見ることがなかった襖絵の華麗さに圧倒される。世界文化遺産に登録されているだけの価値はあると納得。
二条城は書院造りの建物が中心で、いわゆる戦闘を意識した城構えではないと思っていたが、そんなことはなかった。江戸城や大阪城の規模に比べれば貧弱だが、並みの城以上の機能は持っている。天守台がありかつてここに天守閣が存在していた。石垣も堀も幕府の威光を京都の市民に示す場所としても有用な施設だったのだろう。時間に追われて駆け足で巡ったのが少し残念だった。もう一度ゆっくり訪ねようと思っている。(2011年6月10日) |