日本の城ある記(沖縄の城・首里城)

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 首里城  (しゅりじょう)   

訪問記
 沖縄を訪れて今日が4日目である。4日目にして天気予報が的中したようだ。朝、那覇の国際通りに面したホテルの窓から下を見ると路面が濡れている。 夜の間に一雨あったようだ。空は鉛色の厚い雲に覆われている。何時降り出してもおかしくない空模様だ。幸い、今は止んでいる。今日は朝一番に那覇の台所といわれる牧志市場を訪れ、その後に首里城へ行く予定だったが、順序を逆にして先に首里城へ行くことにした。雨が降り出さないように祈るばかりだ。
 首里城について、朝まだ早い時間だというのに観光客の多さに驚く。さすがに世界遺産に登録された沖縄随一の観光地だと実感。
 首里城もこれまでに訪ねた沖縄の城と同様に石造りの塀に囲まれている。しかし、石の積み方は野面積みではなく、隙間なく丁重に積み重ねられた石垣である。王府の城は他の城とは明らかに違う雰囲気を持っている。それに再建・復元されたものではあるが城郭の中に建物がある。建物内部の玉座は赤ウルシで煌びやかに彩色されているが、やはり中国文化の影響を色濃く反映している。首里は京都や江戸より中国大陸の方が距離的にも近いようだ。
 琉球王室の展示物を、”日本人”である私が見て回るのは何か違和感、いや、後ろめたい気分にもなる。反面、侵略者日本といったイメージで語られることに少々腹立たしくもなる。沖縄人と本土人は同じ人種ではないのか。同じ日本人として歴史を共有できないのか。戦国時代、信長、秀吉、家康が天下を統一した英雄物語と同じレベルで琉球の歴史を見るのは無理なのか。支配者と支配される者、このレベルで歴史を語れば何時まで経っても融和などあり得ない。複雑な気分で足早に首里城を後にする。(2012年3月7日)

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